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2026.03.09
〖イベントレポート〗3/7(土)公開記念舞台挨拶
第76 回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品された長編アニメーション映画『花緑青が明ける日に』が、ついに公開!3月7日(土)には新宿バルト9にて公開記念舞台挨拶が実施され、声優を務めたW 主演の萩原利久と古川琴音、共演の入野自由、そして四宮義俊監督が参加した。

満員御礼で実施されたこの日。まずは映画公開を祝して、萩原と古川が自ら描いた直筆の花火イラストが御披露目された。しかし萩原と古川はなぜか困惑の表情。「1年くらい前に描いた事は覚えているけれど、まさかこういう形でお披露目されるとは思っていなくて」と萩原が言うと、古川も「SNS 企画として急いで描いたので。こんな立派な額に入れられるとは…」と述べ、白い手袋をつけたスタッフが運んでいる様子も相まって、2人して「恥ずかしいです」と連発していた。“絵画のプロ”の日本画家でもある四宮監督から「意外とガチなイラストだなと思った」と絵の感想を述べられると、萩原は「勢いが大事だと思ったので、大胆に描きました」と解説。入野が「(描いた時期的に)劇中のシュハリが打ちあがる花火シーンを観ないで描かれたと思うけれど、劇中シーンに良く似ている」と褒めると、萩原と古川は「それは…狙いですね」ととぼけ、入野から「描いたことを忘れていたくせに!急に二人で嘘ついた!」とツッコまれていた。

幻の花火<シュハリ>を完成させようと奮闘する敬太郎を演じた萩原は、声優初挑戦。「最初は普段の演技と近いものかと思ったけれど、やってみると撮り方も違えば台本の書かれ方も違う。実写をやる時に体の全部を使える事への可能性を、声だけの演技をやってみて改めて感じました」と初体験の感想を述べた。敬太郎とともに花火作りに挑む幼馴染のカオルを演じた古川も、声優初挑戦。「実写では出来ないような動きを体験できたのは新感覚で面白かった。実写で出来ない事はないかもしれないけれど、ここまでエモーショナルになるのはアニメならではないかと思いました」と分析した。敬太郎の兄で市役所に勤めるチッチ役の入野はアフレコを回想し「先に収録したお二人(萩原と古川)が先陣を切ってリアリティを作ってくれたので、キャラクターではなくてそこに生きている手触りや匂いを感じながら収録する事が出来ました」と話した。四宮監督は、声優初挑戦の萩原と古川のフレッシュさを絶賛。「アニメーションはある意味で嘘で出来上がっているものですが、その裏では本当に生きている人がいると感じてもらわないといけない。萩原さんと古川さんの声は身体性と個性がはっきりしているので、その声を中心に置かせてもらった。アフレコが早い段階で出来たので、その後に描く絵はお二人の顔に似ていく感覚がありました。ベストなお声を出して頂いた」と太鼓判を押していた。

失われゆく居場所、そして失われても受け継がれる想いがテーマの本作にちなんで<これだけは絶対失いたくない必需品>を発表。萩原は「スマホ」といい「なければ困る事が多い。僕はスポーツを見るのが好きで、最近はチケットも電子で紙のチケットが存在していない。スマホがないと試合を見る事が出来ない。スマホを落としたら終わり。いや、なんならスマホの方が僕の本体かもしれない」と実感を込めた。古川は「(左右独立タイプの)ワイヤレスイヤホン」といい、左右一体タイプのワイヤレスイヤホンに慣れ過ぎていた事から「買って2日後くらいに片方を外した記憶だけがあって…。つけようとしたら片方無かった」とショックを受けるも「探してみたらマフラーの溝に入っていました。それ以来、イヤホンの片方は無くしたくないと思うようになりました」と切実トークで笑わせた。一方、入野は作品のテーマに沿って「近所の古い家と大木が切られて無くなっていく姿を見た時に、これは自分にとって必要なものだったんだ…という真面目な話を二人と違ってしたかったんですけど…。スマホとイヤホン?この作品観た!?」と強烈ツッコミで、スマホの萩原とイヤホンの古川にマウントを取るも、四宮監督から「僕もスマホが大事」と答えられてしまい、「筆しかない!と言うと思ったのに!マジっすか!?」と衝撃を受け、「まさかの1対3ですか・・・」と会場の笑いを誘っていた。

また、夏の2日間を描いた本作に関連して<今年の夏までに叶えたい夢>を発表。萩原は「夏くらいまでには5年10 年以内の大きな目標を決めたい」、古川は「浴衣を一人で着られるようになりたい」、入野は「会う人会う人から痩せた?と言われるので、ジムに行って体力作りをしたい」と抱負を述べた。
ちなみにここまで相性ピッタリの萩原と入野だが、実は第76回ベルリン国際映画祭で初対面で、会うのはこのイベントが3日目。入野は萩原について「飾らないそのままの人で、話しやすい空気があるのでグイグイ行きました」と評すると、萩原も入野について「なんでもお話してくれるし、緊張していたレッドカーペットに向かう車中でもずっと喋り続けてくださった。ずれた蝶ネクタイも直してくれるし、良い出会いでした」とニッコリだった。劇中では相反する性格の兄弟役を演じるふたりだが、実際はほぼ初対面にも関わらず仲良し兄弟さながらのコンビネーションを見せた。

最後のあいさつでは、「萩原さんが演じた敬太郎、古川さんが演じたカオル、入野さんが演じたチッチ。主人公3人が皆さんの経験した何かに、どこかに引っ掛かってくれると思ってここまで作ってきました」と監督。入野は「アニメーションというものは、アニメーターさんが1秒1秒、1枚1枚に丁寧に時間をかけて作られたものです。構想10 年、描き始めて2年。この作品がようやく皆さんに届いたことが嬉しいです」と述べ、主演の古川は「本作を観て私は改めて自分にとっての本当の居場所を考えるようになりました。作品を通して明るい未来を見させてもらった気がして、私自身大好きな作品になりました」と明かす。同じく主演の萩原も「色々な感想があると思うけれど、それを誰かと共有などしていただき、映画が終わった後も楽しんで欲しいです」と呼び掛けた。
