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2026.03.23

〖イベントレポート〗3/20(金)四宮義俊監督Q&Aイベント

3/6(金)より絶賛全国公開中の映画『花緑青が明ける日に』。新海誠監督や漫画家・藤本タツキら著名人の絶賛も多く、SNS上で多くの感想が飛び交っています。

この度、3/20(金・祝)に四宮義俊監督Q&Aイベントを開催いたしました。

はじめに、本作でW主演を務めた萩原利久と古川琴音の印象について「萩原さんは僕の中では少しハスキーな声の印象があって、高音と低音の使い分け、そこに少し不安定さも感じられて。それが敬太郎というキャラクターの10代と20代の違いを表現するのに適していると思いました」と萩原の魅力を語り、古川については「とにかく個性がはっきりしている方で、声の抑揚や存在感に信頼を感じて迷いなくお願いしました」とキャスティング理由を語りました。さらにチッチ役の入野自由については「本当にプロフェッショナルで、収録後や作品が完成した後も演技などについて意見交換させてもらいました。舞台や映画など幅広い経験があり、声優と俳優の両方の感覚を理解されている方なので、とても助かりました」と入野へ感謝を語り、敬太郎とチッチの父を演じた岡部たかしについては「現場に来られた時からすでに岡部さんそのものでした。声の存在感とキャラクターが完成されていて、そのままアフレコに入れる安心感がありました」と語りました。監督にとって長編アニメーションデビュー作となった本作ですが、初めてのアフレコ演出について「アフレコブースは特殊な空間で、俳優さんにとっては音もなく相手も見えない中、ガラス越しにこちらが見えている状態。とても異質な環境だったと思います。そんな中で、僕は最初に決めた演出プランを伝え続けることしかできませんでしたが、結果的にはコミュニケーションを楽しめたと思います」と当時を振り返りました。

SNS上でも映画館で観るべき作品と称賛の声が溢れている本作。映像作りで意識した点については「映画の本質は「音と光」だと思っています。暗闇の中に音と光を入れる——これは花火の原理とも共通しています。ただ現実の花火にはスケールでは勝てないからこそ、映画館という空間でどこまで臨場感を再現できるかを追求しました」と暗闇の映画館で観られることを強く意識したと明かします。さらに制作スタッフについて「世界20カ国ほどのスタッフと連携していました。オリジナル作品でコネも少なかったため、自分でSNSを使ってひとりひとりに直接声をかけました。1ヶ月半で約88人に連絡し、最終的に20人ほどが参加してくれました。皆、日本のアニメへのリスペクトがあり、先人の方々の蓄積があったからこそ実現できた作品だと思います。」と笑顔をみせました。

ここからは観客からの質問に監督が回答。

はじめに、タイトル『花緑青が明ける日に』に込めた意味や経緯などを聞かれると「当初のタイトルは「新しい夜明け(A NEW DAWN)」でした。そこから議論を重ね、「花緑青が明ける日に」と「A NEW DAWN」を組み合わせた現在の形になりました。英語タイトルのほうがオリジナルに近いとも言えますが、「花緑青」という言葉や色のイメージが加わったことで、画家としての自分の経歴にも重なる、自分らしい作品になったと感じています」と経緯を説明。

続けて、現役で花火の打ち上げに携わっている観客から花火の描写やリアリティを追求するための細部へのこだわりについて尋ねられると、「花火師の方々に監修していただき、例えば打ち上げ方法などは、当初の演出案が現実と違うと指摘され、修正しています。現実とフィクションのバランスは難しく、存在しない装置(大きな玉貼り機など)も登場しますが、「あり得るかもしれない」ラインを探りながら構築しました」と試行錯誤した花火へのアプローチを語り、あまり実際の花火には青が使われない中でなぜ青を選択したのかについて尋ねられると「「花緑青」という色の名前は元から知っていたが、花火師の方々へのリサーチを重ねて、顔料として花火でもかつて使われていたことに気づいた時、運命的なものを感じ、この作品の核になりました」と笑顔をみせました。

制作に入る前の企画の原点となる考えについて尋ねられると「もともと日本画とアニメーション、両方をやっていた中で、それらを統合した作品を作りたいという思いがありました。風景や土地の連続性、そこに生きる若者の物語を通して、自分なりの答えを作品にしたのが今回の映画です」と本作の誕生秘話を語りました。さらに本作の魅力である色彩設計について「今回は作画・美術・色彩を一体として捉え、統一感を重視しました。青や緑は自分の得意な色であり、それを最大限活かせる物語として設計しています」とこだわりを明かしました。

本作で描かれている「車」の登場意図についての質問には、「登場人物が抱えるモラトリアムを象徴する存在として選びました。物語構造的にも大切な役割を担っています。車の色はとある国民的アニメキャラクターの色で、そこにも実は意味があります」とニヤリ。

最後に監督より「いろんなオリジナルアニメが同時期に公開されていて、複数作品と合わせてこの作品のことを語っていただいています。それで知っていただいた方もいて本当にありがたいなと思っています。スタッフ一同、本当に時間をかけて作ったものなので、できるだけたくさんの方に見ていただけるように、こういった機会などで宣伝を頑張りますので、 ぜひ皆様の応援もよろしくお願いいたします」と観客に感謝の言葉を贈り、大きな拍手の中、イベントは幕を閉じました。

 

今後、四宮義俊監督によるQ&Aイベントは3/24(火)18:30回にアップリンク吉祥寺にて、3/26(木)18:30回にミッドランドスクエアシネマにて実施が決定しており、さらに追加イベント情報を近日告知予定です。